読書感想文の課題図書2018「クニマスは生きていた!」のあらすじやおすすめポイントは?

夏休みの宿題

第64回(2018年)青少年読書感想文全国コンクールの課題図書、小学校高学年向けの本の中から今回は「クニマスは生きていた!」をご紹介したいと思います。

本のあらすじや心に残った場面や感想などをお伝えします。どの本にしようか悩むお母さん方のお役に立てたら嬉しいです。

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読書感想文の課題図書2018「クニマスは生きていた!」

第64回(2018年)青少年読書感想文全国コンクールの課題図書の「クニマスは生きていた!」

とはどんな本なのでしょうか?

「クニマスは生きていた!」の著者は?

著者:池田まき子

出版社:汐文社

「クニマスは生きていた!」のページ数は?

157ページ

「クニマスは生きていた!」のあらすじは?

秋田県の田沢湖(たざわこ)でだけ見ることのできたクニマス。

そのクニマスが1940年に姿を消します。

水力発電所を建てる計画が始まり、玉川の水を田沢湖に引きこむことになったのが原因です。

その50年後、2010年に山梨県(やまなしけん)の西湖(さいこ)で生きていることが明らかになりました。

最後のクニマス漁師、三浦九兵衛(みうらきゅうべえ)さんと息子の久(ひさし)さんの

クニマスへの想いを通して、人間が自然界に与える影響について考えさせられます。

「クニマスは生きていた!」のおすすめポイントは?

これから、「クニマスは生きていた!」のおすすめポイントを3つあげさせてもらいますね。

クニマスが田沢湖からいなくなった場面

田沢湖は以前はとても綺麗な湖でした。

その透明度の高さから「神秘の湖」と呼ばれ、20種類もの魚がすんでいました。

その中でもクニマスは高級魚とされ、柔らかい白身は生臭さもなく、一匹のクニマスの値段で一升の米が買えるほど高価なものでした。

クニマス漁師になった九兵衛さんは昭和11年4月、衝撃的な話を耳にします。

それは水力発電所が建てられ、田沢湖をダム湖にするため、玉川の水を引きこむ計画です。

玉川温泉から98度の温泉が毎分8トン以上も吹き出し、玉川の水は非常に強い酸性の「毒水」と呼ばれていました。

玉川の水を田沢湖に引きこめば、魚がいなくなることは容易に推測できましたが、その当時は国力の強化が何より優先されていたため、

国を挙げての計画に反対したら、国賊(こくぞく)

*国賊とはその国民でありながら国家に害ある者。

とか非国民とか言われてどんな処分を受けるか分からないと家族への迷惑も考え、漁師たちはどうすることもできなかったのです。

魚はいなくなり、田沢湖の水は減り、透明度も下がり、湖の周りの木も倒れてしまいました。

美しかった田沢湖が醜く変わる様子を見て、九兵衛さんは苦しみます。

九兵衛さんがクニマスを探し続ける場面

九兵衛さんの祖父の金治郎さんはクニマス漁師として働きながら、漁業組合の仕事もしていて、クニマスの人工ふ化事業にも携わっていました。

滋賀県の琵琶湖や長野県、富山県などへも人工ふ化した卵を送り出し、その中には山梨県の本栖湖(もとすこ)と西湖もあり、クニマスの卵10万粒が昭和10年3月29日に送られています。

もしかして、どこかでクニマスが生きているのではないかそう思うようになった九兵衛さんは卵を送った湖に何度も何度も出かけ、クニマスを探し続けるのです。

やがて、持病の心臓病を心配した息子の久さんが一緒にクニマス探しに同行します。

その活動がテレビでも話題になり、田沢湖町観光協会が主催した「クニマス探しキャンペーン」

が立ち上がり、クニマスを発見した人には懸賞金百万円、その一年半後には五百万円に引き上げられました。

中にはとても良く似た魚がいましたが、全てクニマスと同じサケ目サケ科の淡水魚ヒメマスと鑑定され、送られてくるものの中にクニマスと断定された魚はいませんでした。

クニマスを追い続けた九兵衛さんはその姿を再び見ることなく、平成18年5月に84歳で心臓病のため、息を引き取ります。

クニマスは生きていた!70年ぶりの発見

九兵衛さんが亡くなってから一年。

「『絶滅』クニマス生きていた!」

と新聞の一面に載ります。

クニマスは卵を送った山梨県の西湖で見つかりました。

なぜ、今まで発見されなかったのか?

それはクニマスではなく、クロマスだと思われていたからです。

クロマスは同じサケ目サケ科の淡水魚で産卵期に黒く変色するヒメマスをこう呼んで区別していました。

研究者たちの分析の結果、クロマスとヒメマスの間には明らかな遺伝子の違いがあることが分かりました。

これにより、クロマスはクニマスであることが証明されました!

クニマスは生きていました!

「クニマスは生きていた!」を読んだ感想は?

最初は田沢湖でクニマスを探す子供達の様子や田沢湖の伝説「辰子姫」の話などで、物語に引きこまれる感覚はありませんでした。

しかし、水力発電所を建てる計画が実行され、魚たちが湖からいなくなった辺りから、九兵衛さんの無念の想いが伝わってきます。

何かできることはなかったのか?

想いの強さに比例するように、お話に引きこまれていきました。

このお話は絶滅したクニマスが見つかって良かったねというものではありません。

クニマスは見つかりましたが、田沢湖に戻すことができないのです。

それはいまだに田沢湖には玉川からの水が引きこまれ、強い酸性の水であることが原因です。

自然破壊は異常気象が起きる、予期せぬ健康被害など様々な危険性があります。

今後、クニマスがすめる田沢湖に戻していけるよう、水質改善を図っていかなければいけません。

無くすのは一瞬ですが、取り戻すのには気が遠くなるほどの時間がかかります。

大切なことは自然界を守ることの重要性を子供達が学ぶこと。

今後の社会を担っていく小学生たちに、いえ・・年齢問わず、1人でも多くの人に読んでもらいたい本です。

 

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まとめ

いかがでしたか?

おすすめのポイントは私が印象に残った場面をご紹介しました。

読む人によって感動するポイントは変わってくると思います。

読みながら感動したところや心に残ったポイントにふせんをつけておくと後でスムーズに読書感想文を書くことができます。

そんな読書感想文のポイントをまとめた記事がこちらです。

 

また、同じ小学校高学年の課題図書「奮闘するたすく」についてもご紹介していますので、

ご覧になってみてくださいね。

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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