いつ起きるか分からない地震、いざという時にどのような行動を取ればいいのでしょうか?
管理人は2011年3月11日に起きた東日本大震災を経験しました。その時のことを忘れないよう「毎年3月11日」を非常用持ち出し用品を確認する日にしています。
その時の様子を含め、「地震が起きた時にどうしたらよいのか?」また、「どんな防災グッズを準備しておくか」に焦点を当てて書かせて頂こうと思います。
地震で避難する場所別対処法!
地震の時にどこに居たかで地震による恐怖感が全然違うものになったと思います。
外にいた管理人親子
私や娘のように駐車場のような周りに高い建物がない場所に居た方は揺れによる恐怖は感じると思いますが、比較的被害のない場所に居たと思います。娘も地震の揺れに驚いてはいましたが、その後思い出して怖がることはありませんでした。
下校途中の子供達
息子の話によると、下校途中に地震に遭いましたが、被害はなく、その後帰宅途中でよその家のブロック塀が崩れているのを見たそうです。
自宅に居た親子
小さなお子さんと一緒に家に居た時に地震に遭遇したお母さんは食器棚から落ちて壊れる食器などの様子を目の当たりにし、パニック状態になったようです。
ショッピングセンターに居た方々
館内は真っ暗になり、スプリンクラーが作動したようで、買い物中だった多くの方々はパニック状態だったようです。
オフィスで仕事をしていた友人
事務所で働いていた友人は、地震で窓ガラスが割れ、とても怖かったそうです。
地震はいつ起きるか分からない
地震はいつ起こるか分かりません。
だからこそ、どこに居ても適切な判断ができるよう対処法を知っておくことが重要です。
そして、落ち着いて我が子を避難誘導してあげたいですよね。
地震の時の避難はどこに居るかで変わる
まず、最初に地震が起きた際、どこに居ても共通した対処法を上げさせて頂きます。
地震から身を守る4つの鉄則
- 頭を守る
- 高さのある物(壁や棚など)から離れる
- ガラスから離れる
- 揺れが収まってから行動する
家の中で地震に遭った時の対処法
家の中といってもリビング、キッチン、浴室、など何をしているかでも対処法は変わってきます。どこに居ても、外に出れるよう、玄関ドアや窓を開けることが大切です。
地震によって歪みが生じ、ドアが開かなくなり、閉じ込められてしまう恐れがあるからです。
リビング
リビングに居た場合などは真っ先に頭を保護しながらテーブルや机の下にもぐり、揺れが収まるのを待ちます。実はこの対処法にはもう1つの説があります。それは「三角の救命スポット」です。
三角の救命スポット
「私は、これまでに60カ国で875軒の倒壊した建物にもぐり込み救命活動した経験があります。すべての大きな被災地の現場で目撃した結果、地震の際の最も安全な地帯は、三角に空く隙間だという事です。」
浴室
1ドアを開ける。
扉が歪んでしまうと開かなくなってしまいます。
浴室に居る場合は避難路の確保が重要です。
2頭部を守る。
お風呂の蓋や桶などで頭部を守ります。
3態勢を低くして、揺れが収まるまで待つ。
立っていると揺れている間に滑ってしまうこともあるので、
座った方が良いようです。
4鏡やカミソリなど、足元や頭上に危険なものがないか確認する。
足の裏を怪我してしまうと、避難が困難になってしまいます。
5お湯はそのまま残し、給湯器のスイッチを切る。
お湯はトイレを流したり、洗濯に使えるので、そのまま貯めておきます。
6避難する。
着替えている最中に余震が起きる可能性があります。
バスタオルなどで体を包んでから着がえを持って安全なところに避難します。
外に出る場合は靴底の厚いものを選んでください。
7着替える
安全が確認できたら、着替えます。
キッチン
屋外に避難する際はブレーカーを落とす
阪神・淡路大震災や東日本大震災では、電気を出火原因とする火災が多く発生しました。
その一因として、停電後の電気復旧時に火災が発生する″通電火災”が多発したことが挙げられます。
阪神・淡路大震災で地震を原因として発生した火災の61%、東日本大震災で発生した火災の65%が「電気による火災」でした。
“通電火災”とは・・・?
地震による停電が復旧した場合の通電を原因とする火災のこと。
今回管理人が経験したように夜中の3時にいきなり電気が復旧し、明かりがついたり、テレビがついたりしました。家に人が居れば対応できますが、避難してて自宅に居ない場合、カーテンや衣類が暖房器具の上にかぶさり、通電後に出火したケースや家屋の倒壊などにより電気コードが損傷し、通電の瞬間にショートを起こし出火するケースなどが多かったようです。
その通電火災を防ぐ方法として、感震ブレーカーを設置する方法があります。
“感震ブレーカー”とは・・・?
感震ブレーカーとは、地震の揺れをセンサーが感知し、あらかじめ設定しておいた震度以上の場合に配線用ブレーカー又は漏電ブレーカー等を遮断する器具をいいます。
感震ブレーカーには、工事の必要なものから工事不要の簡易タイプまで様々なタイプのものがあり機能もそれぞれ異なるため、状況によって選んで設置することができます。
分電盤タイプ
設置は難しいので工事をお願いするケースが多いようです。
簡易タイプ
このタイプの感震ブレーカーは、揺れが起こると紐が引っ張られてスイッチが切られるという単純な仕組みのため、精度はやや劣りますが、取り付けは簡単で工事も不要です。
外出時に地震に遭った時の対処法
外出時はより様々なシチュエーションが考えられます。
外
ビルなどのガラスが割れて落下してくる恐れがあります。また、看板や外壁なども心配です。頭部を守り、建物から離れてください。
スーパー
大地震が起きたら、陳列棚や商品が凶器に変身します。レジのカゴやバッグなどで頭を守り、商品棚から離れて、安全な場所へ避難するかすみやかに非常口から脱出するようにしましょう。
エレベーターの中
エレベーターの中で巨大地震に襲われたらすぐにすべての階のボタンを押して下さい。
そして、停止した階で外に出て下さい。もしも、エレベーターの中に閉じ込められてしまったら、非常ボタンやインターホンなどで外部と連絡をとり、救助を待って下さいもし万が一、非常ボタンやインターホンなどで外部と連絡が取れなかったら、災害用伝言板に自分の居る場所と置かれている状況を具体的に書き込み救助を待ちましょう。
災害用伝言ダイヤルでも知り合いに今の状況を伝え、そこから救助を要請しましょう。災害用伝言板と災害用伝言ダイヤルは各携帯電話会社の災害時のサービスです。
日頃から利用方法を確認しておくと良いですね。
車を運転中
震度6や7の大きな地震になると、ハンドルが思うように切れなくなり、運転を続行するのは非常に危険です。このような時は、急ブレーキをかけないよう、ゆっくりと車のスピードを落とし、ハザードランプを点灯して周りの車に注意を促し、道路の左側に駐車します。車の中にいれば落下物からも身を守れるので、これでいったんは安全です。
但し、大きな落下物があれば車の中だと潰されてしまいます。サンフランシスコで起きた大地震の際、ニミッツ・フリーウェイ(橋)を車で走っていた人たちは、ほとんど車の中にいて助からなかったのです。車を降りて車の横にいたなら、「三角形の救命スポット」ができ、生存率はもっと高かったといわれています。
ハザードランプを点けて周囲(上部も)に注意を促しつつ、ラジオや携帯電話の情報で、正確な状況を把握しましょう。
駅・電車内
駅のホームにいる時に地震が来たら、線路に転落しないようホームの内側に移動します。カバンなどで頭上を守りながら、座って揺れが収まるのを待ちます。強い地震が起きると、運転中の電車は緊急停止します。
電車に乗っている時に地震が起きた場合、座っている場合は荷物をしっかり持ち、立っている場合にはつり革や手すりにしっかりとつかまって、乗務員からの案内を待ってください。
地下街
停電で真っ暗になる可能性がある地下街。閉じ込められたという閉塞感から混乱になりやすい場所ですが、地下街には60mごとに非常口が設置されています。
地下街で地震が起きたら、慌てず壁伝いに移動して、最寄りの非常口から脱出しましょう。
非常口はたくさんありますから、ひとつの出口に人が殺到している場合は、もう少し移動するのも手です。
遊園地
ジェットコースターに乗ってる時に地震が起きたらどうしよう?と思ったことはないですか?
例えば東京ドームシティの観覧車は関東大震災の1.3倍、ジェットコースターは1.5倍の規模の地震に耐えられる耐震設計になっています。
また、東京ディズニーリゾートは大地震(震度6強)を想定した防災訓練を、全てのキャスト達(9割がアルバイト)が何度も繰り返し受けているそうです。
「訓練は年間180回」ほど実施され、東日本大震災の際の防災頭巾としてぬいぐるみを配るなどの神対応ぶりはフジテレビの番組「Mrサンデー」で放送されました。やはり日頃の訓練が大切なのですね。
パニックを起こさず、落ち着いて揺れが収まるのを待ち、係員の誘導に従ってください。
イベント会場・球場・スタジアム
大きなイベント会場は群衆パニックが起こりやすい場所です。人が多い分、より大きなパニックになりやすいので、急いで出口に向かうのではなく、まずはその場に座って揺れが収まるのを待ちます。
大きなドームやスタジアムなら震度7程度の地震に耐えられる強度があるので、慌てず落ち着いて、揺れが収まってから避難を開始しましょう。
無理に出ようとして人混みに巻き込まれたり、スタンドを乗り越えようとして落下するほうが危険です。特に子供と一緒の時は人混みでの圧迫は怖いですよね。
スタンドとグラウンドの間に柵や高さがない場合はグラウンドに移動すれば、落下物や倒壊の恐れはありません。
海で地震に遭った場合の対処法
津波から身を守るには、津波警報や避難の指示、勧告がなくてもすぐに高台や避難場所に逃げて下さい。より海岸から離れた高台などを目指しましょう。
津波が伝わるスピードは、水深が深いほど速く、水深が5000mの沖合では時速800キロメートルとジェット機並みの速さになります。
陸地に近づき水深が浅くなるにつれてスピードが遅くなりますが、それでも時速36キロメートルとオリンピックの短距離選手並みの速さですので、とても走って逃げ切れるものではありません。
津波が来るのを見てから避難を始めるのでは、間に合わないのです。
第一波の引いた後に家に戻り第二波にのみこまれ被害に遭ったケースや、余震により再度津波が発生するケースもあり、警報・注意報が解除され安全が確認されるまでは決して被災地域には立ち入らないでください。
東日本大震災では地域差がありますが、地震発生の約15分~30分後にあのおおきな津波が来たようです。
あのとてつもない津波は第一波ではないのです。
もしものために「津波標識」の確認を!
津波の危険がある場所には、津波が来襲する危険があることを示す「津波注意」のほか、津波避難場所や津波避難ビルを示す津波標識が設置されています。
万一に備え、海の近くにいるときには必ず確認しておきましょう。
正常性バイアス
東日本大震災での「津波の被害」が大きくなってしまった要因は多くの方が逃げずに自宅にいたからだと言われています。
津波が迫っているのに、なぜ逃げないのでしょうか?
それは危険な状況であっても、「自分は大丈夫だろう」と平常時の行動を続けてしまうことを正常性バイアスといいます。この心理が働いてしまうそうなんです。
また、周りの多数の人が「ここは大丈夫だろう」と根拠のない自信を持ち、平常時の行動をしていると危険だと認識しても、逃げることができなくなってしまうことを同調バイアスといいます。しかし、異常時にこういった心理が働きやすいと認識していれば、「これは正常性バイアス」だなと気づくことができるかもしれません。また、日頃より地震の際どのように避難すればよいかを確認しておけば、「間違った判断」に気づくことができます。
地震で避難する時の最低限の持ち物
ご家庭によって必要なものは多少異なりますが、これらの物を事前に準備しておけば安心です。
ただし、地震で準備していた品を出すことが出来なくなってしまうケースも多かったようなので、収納場所をどこにするかはとても重要です。
被災時・非常時の最初の1日間をしのぐための物品です。
非常持ち出し袋 | 両手をふさぐことのないリュック型が最適 |
懐中電灯 | こちらの機能が1つになってるものもあります。 |
携帯ラジオ | |
携帯電話充電器 | |
飲料水 (ペットボトル500ml) |
持ち運び時の重量の点から、応急用として「1人1日1L×2人分」程度が 妥当であると考えます。「5~6年保存水」もあります。 |
食料 | 5~7年保存のごはんや乾パン、飴やチョコなどの甘いものもあると良い。 |
ローソク・ライター | ローソクは長時間の使用に適している。ライターはチャッカマンなどの方が使いやすい。 |
軍手・皮手袋 | 軍手は、熱にも強い綿100%のものを。皮手袋は、ガラスの破片の片付け等で役に立ちます。 |
トイレットペーパー | |
ウェットティッシュ | 水がない時に役に立ちます。 |
万能ナイフ(10徳ナイフ) | ハサミ、ナイフ、缶きり、栓抜きなどの機能がある複合ツールがあると便利です。 |
ガムテープ(布) | 布製は丈夫でマジックで伝言等を書くことができるので重宝します。 |
保温シート・カイロ | 防寒用としても役に立ちます。 |
筆記具 | 油性マジック、メモ帳、ボールペン |
サランラップ | 食器に巻いたり、保温、傷の保護として利用できます。 |
ブルーシート | 避難先の場所確保(1人あたり1畳程度) |
下着類 | |
レインコート | |
救急袋 | マスク、消毒液、ばんそうこう、湿布薬、三角巾、風邪薬、胃薬、包帯、毛抜き、常備薬、持病薬など |
乾電池 | 最低限、携帯ラジオ・懐中電灯用の予備電池を用意する。 |
ポリ袋 | 大小合わせて10枚程度。物を入れる、雨具の代用としてかぶる等、汎用性が高い。 |
歯ブラシ・歯磨き粉 | |
携帯トイレ | 災害時のトイレ問題は深刻なので「携帯トイレ」「簡易トイレ」として市販されている袋型のものを備えておくと良いです。 |
目かくしポンチョ | 人目を気にせず着替えや携帯トイレを使用することができます。 |
エアーマクラ・シート | エアーマクラやエアーシートがあると床上で横になるのが、楽になります。 |
タオル | 汚れの拭き取り、けがの手当て、下着の代用、用途は広い為、少し多めに用意するのがおすすめ。 |
笛 | 助けを呼ぶ時に使用する。 |
家族写真 | 安否確認の為。 |
現金(小銭も用意する) | 災害時はお釣りが不足したり、携帯が使えなくて公衆電話を使用する為。 |
保険証、身分証明書、通帳のコピー |
必需品・貴重品類 ※個々の事情によって必要性が異なる。
家や車の予備キー |
予備メガネ等 |
携帯電話 |
預金通帳 |
健康保険証 |
運転免許証 |
パスポート |
印鑑 |
証書類 |
地震で避難所生活での荷物
「二次持ち出し品」とは、避難した後で少し余裕ができてから安全を確認して自宅へ戻り、避難所へ持出したり、または、自宅で避難生活を送る上で必要なものです。
食料品
家族が1週間程度しのげるくらいの食料を備えておくのがベストだそうですが、なかなか難しいですよね。賞味期限を確認しながら使い回していけば無理なくストックできると思います。
飲料水 | 味噌汁 |
非常用給水袋(ポリタンク) | ビスケット |
アルファ米 | キャンディ |
乾パン | チョコレート |
パン缶 | スープ |
インスタントラーメン | 切り餅 |
缶詰類 | レトルト食品 |
衣類・生活用品
上着 | ガスボンベ |
下着 | 鍋・やかん |
靴下 | ラップ・アルミホイル |
タオル | スプーン・フォーク |
バスタオル | 割り箸 |
毛布(寝袋) | 皿(紙、ステンレスなど) |
雨具 | コップ(紙など) |
予備電池 | ドライシャンプー |
卓上コンロ | 古新聞 |
石鹸 | 安全ピン |
貴重品
お札だけでなく、必ず小銭も用意しておくと良いです。震災時には小銭が不足したり、携帯電話が使えなくて公衆電話を使うことになるかもしれないので、10円玉も合わせて準備しておきましょう。
東北地方の金融機関や都市銀行の支店などが、預金通帳、印鑑、キャッシュカードがなくても10万円まで(金融機関によっては30万円まで)の預金の払戻しに応じています。そのため、保険証、身分証明書、通帳のコピーも合わせて入れておくと良いようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
・管理人の体験より、地震の際どこに居ても適切な判断ができるようになりたいと思ったこと。
・場所別による地震の際の対処法
・非常用の持ち出し品リスト
といった形でご紹介させて頂きました。
たくさんの方が家族・友人・愛する人を亡くしました。
そのお気持ちを想うと私の経験を皆さんにお伝えしてもいいのだろうか?と、とても悩みました。
もし、少しでもどなたかのお役に立てればと思い、記事を作成したことをご理解頂ければと思います。
あの日から毎年している黙とう。あなたもそうでしょうか?震災にて犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表し、黙とうを捧げたいと思います。
「津波てんでんこ」をご存知でしょうか?
東日本大震災で「釜石の奇跡」と呼ばれる事例では、「津波てんでんこ」を標語に防災訓練を受けていた岩手県釜石市内の小中学生のうち、当日学校に登校していた生徒全員が生存し、話題となりました。
先生や生徒達は「奇跡ではなく、訓練の成果」だと感じているようです。
もちろん、居た場所によってはどうしようもない時もあると思います。
でも、親御さんが防災に力を入れ、お子さんにその姿を見せるだけで十分な教育になります。
「何があっても、あなたを守る」
その気持ちは、愛情となってきっとお子さんに届くことでしょう。
一緒に防災や避難について話し合えたらもっと良いですね。
そして、それはお子さんの子、あなたのお孫さんへも受け継がれていくかもしれません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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