マダニなどの節足動物が媒介し、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は人が亡くなることもある怖い感染症です。
今回はそのマダニの天敵が発見されたという発表が森林総合研究所からありました。
その天敵はオオヤドリカニムシ(動画)です。どんな虫なのでしょうか?
マダニの天敵オオヤドリカニムシとは?動画で大きさを確認!
オオヤドリカニムシの体長は0.5~5mmくらいです。
爪の先と比べるとどのくらいの大きさかお分かり頂けると思います。
オオヤドリカニムシの生息場所は?
北海道から本州南部の低地~山地森に生息するネズミやモグラと共生しています。
ネズミがオオヤドリカニムシを食べることはなく、傍に寄ってきても臭いを嗅ぐだけで、カニムシが背中に乗っても振り落とすこともなかったそうです。
ネズミの血を吸う天敵であるマダニを食べてくれることから、相利共生の関係にある可能性があるようです。
オオヤドリカニムシはどうやってマダニを捕食するの?
オオヤドリカニムシは体液を吸って捕食します。
実際にマダニの幼虫を与えてみると40分足らずで食べたようです。
カニムシの幼虫は空っぽで半透明になった体だけが残ります。
オオヤドリカニムシの捕食や半透明の体の写真はこちらでご確認ください⇒森林総合研究所
また、幼虫だけでなく、自分と同じくらいの大きさのマダニ成虫も80%くらいの確率で捕食に成功しました。
オオヤドリカニムシに毒や害はあるの?
見た目はサソリに見えるので、毒を持ってそうですが、毒も害もありません。
だからこそ、マダニの天敵として研究所に注目されているんですね。
森林総合研究所は「オオヤドリカニムシの生息しやすい環境を明らかにすれば、農作業などでのマダニ被害の心配を減らせる」として今後も詳しく生態を調べていくようです。
そこで、亡くなることもあるマダニの感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」についてご説明します。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは
SFTSウイルスに感染することにより引き起こされる病気で重症化し,亡くなることもあります。
現在までに,全国では23府県で326例(うち亡くなった方は62例)の症例が確認されています(平成30年6月7日現在)。
マダニの感染経路は?
主にウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染します。
また,風邪やインフルエンザのように容易に人から人へ感染して広がるものではないです。
マダニSFTS症状は?
潜伏期間は?
6日から2週間程度です。
症状は?
メインとなる症状
・原因不明の発熱
・消化器症状(食欲低下,嘔気,嘔吐,下痢,腹痛)
時にはこんな症状も?
・頭痛
・筋肉痛
・神経症状(意識障害,けいれん,昏睡)
・リンパ節腫脹,呼吸器症状(咳など)
・出血症状(紫斑,下血)
マダニの生息地は?
日本全国の主に森林や草地などの屋外に生息しており,市街地でも見られます。
活動時期は,4月中旬~11月下旬くらいが活発です。
マダニ類は,固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3~4mm)のダニで家にいるダニとは違います。
マダニに噛まれると皮膚に口器を差し込み,セメントのような物質によりしっかり固着するため、マダニを無理に引き抜こうとするとちぎれたマダニの体の一部が皮膚内に食い込んで残ってしまいます。
また、吸着されても痛くもかゆくもないので,噛まれたことに気づくのが遅れるケースも多いです。
植物などにつき、吸血源の動物が通りがかるのを待ち伏せし、通りかかると飛びつきます。
マダニ対策は?
マダニに噛まれないようにすることです!
そのため、マダニが生息していそうな場所に行く時は
・長袖・長ズボン・長靴着用。ズボンやシャツの裾を入れる。
・マダニに刺されていないか確認する。
・脱いだ衣服はすぐ洗濯するか,ナイロン袋等に入れて口をしばっておく。
もし、マダニに噛まれてしまったら、医療機関で処置してもらってください。
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