熱中症が疑われる場合はどのように応急処置したらよいのでしょうか?
熱中症は重症化すると命にかかわります。
熱中症が疑われるポイントや症状をあらかじめ把握しておいて早期に気づくことが重要です。
今回はママが気をつけたい応急処置の方法について次の項目に焦点を当ててまとめました。
・熱中症で日陰に避難するときの応急処置は?
・熱中症で体を冷やす場所はどこが効果的?
・熱中症の水分補給のポイントは?
熱中症の応急処置は?
熱中症が疑われる場合は、まず意識の有無を確認します。
なぜかというと病院への搬送を急ぐべきか判断するポイントになるからです。
意識がない場合は直ちに119番で救急隊を要請してください。
その際のポイントをご説明します。
①119番に電話する。
②来てほしい場所を正確に伝える。
③熱中症が疑われることを伝える。
④呼びかけの反応が鈍い場合は無理に水を飲ませてはいけない。
⑤涼しい場所に避難し、服をゆるめ、体を冷やす。
⑥救急車が到着するまで携帯電話の電源は切らない。
⑦容体、手当の内容について話す。
⑧状況を把握している人が付き添う。
また、意識があっても体温が38℃以上であったり、自力で水分や塩分を摂取できない、言動がおかしい、応答が鈍いといったときも重症化する危険があるので、体を冷やしてすぐに受診する必要があります。
自家用車で病院に運ぶ場合
症状が比較的軽い場合や救急車で搬送できないときは、自家用車やタクシーを使って病院に連れていきます。そのときは社内の冷房を十分に効かせてください。搬送先は救命救急、集中治療の施設がある医療機関で、診察科目は内科、小児科が考えられます。事前に連絡をとって対応可能か確認してください。
熱中症で日陰に避難するときの応急処置は?
熱中症の症状が疑われる場合は安全に応急処置ができるようにいち早くエアコンの効いた室内や高温・多湿ではない室内に異動しましょう。
体を横にできる広さが確保できる部屋がいいですね。
しかし、スポーツ時など屋外にいる場合建物がすぐそばにない時があります。その場合は周りを見渡し、木陰やひさしの下など直射日光が当たらない風通しのいい場所を探しましょう。
周りを見渡しても日陰になる場所が何もない時は周囲の人の協力を得て、日傘やタオル、新聞紙、段ボールなどを集めて日よけを作るよう心掛けてください。
熱中症で体を冷やす場所はどこが効果的?
熱中症が疑われたら、涼しい場所に移動してあおむけか横向きに寝かせ、体から熱が放散できるように衣服を緩めます。
横にした後は脳への血流がよくなるように、足の下にかばんや枕を置き、足先を高くします。
衣服を緩めるポイント
首元、胸元をはだける
腹部回りはベルトなどを緩める
脳への血流がよくなるように足元を高くする
体を冷やすポイント
氷のうや保冷剤などで首・わきの下・足のつけ根など太い動・静脈のあるところを冷やします。
うちわや扇風機で風を送る。
氷のうがない場合は、ぬらしたタオル、冷えたペットボトルなどを代わりに使う。
熱中症の応急処置で水分補給をする場合のポイントは?
熱中症を起こしていて、呼びかけても答えなかったり、反応がおかしい場合、無理に水分を飲ませると、誤って気道に流れ込むことがあり、大変危険です。また、吐き気があったり、吐いたりした場合はすでに胃腸の働きが弱っていると考えられます。
これらの症状が見られる場合は医療機関で点滴を行い、静脈から直接水分と塩分を補給する必要がありますので、速やかに救急隊を呼んでください。
意識がはっきりしていて自分で水分補給ができる場合は少量ずつ飲みましょう。
大量の発汗があった場合は失われた塩分も適切に補えるスポーツドリンクが最適ですが、スポーツドリンクの中には塩分(ナトリウム)を含まないものがあるので、成分表示を確認し、100㎖あたり40~80㎎の塩分を含んでいるものを選ぶとよいです。
医療機関で診察を受ける時気をつけることは?
熱中症は迅速な治療が必要になります。しかしその症状は多種多様なので、発症したときの情報が医療機関に十分に伝わらないと診断に手間取り、処置が遅れるおそれがあります。
では、医療機関ではどのような情報が知りたいのでしょうか?
不具合になるまでの状況
・食事は水分、塩分は十分とっていたか
・気温や湿度はどのくらいだったか
・活動場所は屋内か屋外か?日陰か日なたか?
・どんな活動をしていたか?
・帽子はかぶっていたか?
・どのくらいの時間そこにいたか?
・一緒に活動していて、いつもと異なる点はなかったか?
不具合になったときの症状や状況
・失神・立ちくらみ
・頭痛
・めまい
・のどの渇き
・吐き気・嘔吐
・倦怠感
・こむら返り・体が痛い
・体温・呼吸数・脈拍数
・うとうとしている/呼ぶと目を開ける/呼んでも目を開けない
・汗をたくさんかいている/かいていない
・おかしな言動がある
・現場での手当ての有無と方法
最近の生活状況
・体調は良かったか?
・睡眠は十分か?
・風邪をひいていたか?
まとめ
熱中症は亡くなる方もいる恐ろしい病気です。
だからこそ、熱中症にならないよう予防することが大切です。
スポーツなどで汗をたくさんかいたり、強い紫外線を浴びたまま練習をするなど、熱中症のおそれがある場合は経口補水液や発汗によって失われた体内の塩分を補給するのに適したタブレット、スポーツドリンクを凍らせて持って行くなどの予防をするだけでもずいぶん違います。
また、しっかり睡眠を取るなどの生活習慣も重要です。
親としてできることは病院に連れていくことが多いですが、それも大事な親の務めですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
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