現在、日本の人口の3分の1以上がなんらかのアレルギーを持っています。
花粉症、じんましん、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など多くのアレルギー病が存在しています。
今回は次の項目に焦点を当て、まとめてみました。
・アレルギーとは?
・アレルギーの種類は?
・アレルギー反応が起こるしくみとは?
・アレルギー体質は遺伝するの?
アレルギーとは?
人には免疫という能力が備わっています。
一度かかると二度かかることのない、はしかや水ぼうそうなどの病気がありますがこれが「免疫ができる」ということになります。
これによって一度かかったウイルスがもう一度入って来ても、身体から追い出してくれることを「免疫反応」といいます。
この「免疫反応」を上手く使ったのが、予防接種ですね。
しかし、この便利なシステムが身体に不利に働いてしまうことがあります。
それがアレルギーなんです。
侵入してきた特定の遺物に対して過剰に反応し、体に不利な症状を引き起こします。
その原因物質をアレルギーの場合は、アレルギーの反応を引き起こすものという意味で、「アレルゲン」と呼びます。
私たちが生活する環境の中には様々なアレルゲンがあり、何が原因になるかは人によって様々です。
花粉やダニ、カビ、食べ物、ペットなどもアレルギーの発症に関係しています。
アレルギーの種類は?
代表的なアレルギー疾患のなかでも、とくに悩んでいる方が多い疾患について、詳しくみていきましょう。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは、もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚の炎症を伴う病気です。
主な症状は「湿疹」と「かゆみ」で、良くなったり悪くなったりを繰り返し、なかなか治らないことが特徴です。
気管支ぜん息
気管支喘息とは、気管支の粘膜に慢性的に炎症が起きる結果、気管支の内腔が狭くなり、気管支が様々な刺激に対して過敏になる結果、咳や痰、呼吸困難などの症状が急に起き、繰り返す病気です。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは、透明のさらっとした鼻水、鼻づまり、発作的で連発するくしゃみの3つの症状を主とするアレルギー疾患です。
主な原因として、空気中に浮遊する花粉やハウスダストがあります。鼻の粘膜から原因物質が体内に入ることによって起こるアレルギー反応です。
食物、薬物、金属アレルギー
食物アレルギーの場合、食べ物に含まれる主にタンパク質が異物(アレルゲン)と認識されて症状が引き起こされます。
薬物アレルギーは薬によって生じるアレルギーの総称であり、抗菌薬や解熱剤などの医薬品により生じやすいです。
金属アレルギーはアレルギーの原因が金属の場合です。
アナフィラキシー
ペニシリンなどの薬物投与やアレルゲンが原因です。
全身にアレルギー反応が起こり重症に陥ります。
じんましんが生じ、血圧低下により脈拍が弱まり、呼吸困難や意識障害などが起こり、亡くなることもある怖い症状です。救急車を呼ぶなど、早急な対応が必要です。
アレルギー反応が起こる仕組みとは?
では、どうやってアレルギーに反応してしまうのでしょうか?
今回は花粉を例に説明させて頂きますね。
①体の中に花粉が入ってくると、その花粉に対する抗体を持った細胞が作られ、次来たら、追い出そうと待ち構えます。
②体内に侵入した花粉はピッタリと細胞にくっついてしまいました。抗体は花粉と細胞を繋ぐ役割を果たします。
③花粉から刺激を受けた細胞は様々な化学物質を放出し始めます。
④細胞から出た化学物質はかゆみや炎症などのトラブルを引き起こします。
アレルギー体質は遺伝するの?
アレルギーを起こしやすい体質は親から子へ遺伝します。
過去のデータから見ても、両親がアレルギー病を持つ場合40~70%の子にアレルギーが見られ、
片方の親のみアレルギー病の子は1歳半までに40%がなんらかのアレルギー病を持つと言われています。
しかし、親がアレルギー病だから、必ず子供がアレルギー病を発症する訳ではありません。
兄弟でも、発症する子としない子がいます。
また、アレルギー病が喘息だったり、花粉症だったりと違いがあります。
これは遺伝子だけではなく、体質と日常生活における環境などが複雑に絡んでいます。
アレルギー反応の時間
アレルギーは異物が体に侵入してすぐに症状の出る「即時型」が一番多い反応なのですが、
中には半日から1~2日経ってから反応が出る場合もあります。
例えば、カニによるじんましんの場合、すぐ症状の出た人の80%くらいは「カニへの抗体」が見つかるそうですが、残りの人には抗体が見つからなかったそうです。
アレルギーシーソー現象
アレルギーの反応はまだまだ分からないことが多く、仕組みは複雑です。
例えば、いくつかのアレルギー病を持っている場合、例えば喘息とアトピー性皮膚炎の両方を持っているとして、
アトピー性皮膚炎の症状が軽くなると、喘息の症状が重くなることがあります。
このような状態は「シーソー現象」と呼ばれています。
アレルギー病の体質だったとしても、症状が強く出ないために気づかない人もいます。
逆にアレルゲンが日常生活にたくさん潜んでいる場所に住んでいれば、アレルギー病を引き起こす可能性は高くなってしまうということですね。
アレルギーは治らないの?
アレルギーは体質なので、一生つきあうことになります。
でも、アレルギー症状はアレルゲンを遠ざけ、適切なケアをしていくことで改善できます。
成長とともに免疫機能が高まって体が丈夫になるため、しだいに症状が改善していくことも多いのです。
アレルギーにいきなりなることもある?
それまでアレルギーの症状が出なかったのに、急に反応が出ることがあります。
特に花粉症などは突然発症することが多いです。
また、ストレスや体の免疫機能が低下した時、病気などで体力が落ちてしまった時なども症状が出やすいです。
アレルギーは季節や天気によって症状に違いがある?
アトピー性皮膚炎は夏に汗をかく、または冬の空気の乾燥時に調子が悪くなる人が多いようです。
また、喘息は台風や前線が近づく際に発作が起きやすいといわれています。
ただ、どうしてなのかはまだ解明されていません。
まとめ
アレルギーといっても様々あり、幼少期はアトピー性皮膚炎、小学校に入って喘息、高学年で花粉症を発症するお子さんもいます。
アレルギーは色々な症状を引き起こしやすいのでしょうね。
親としては心配が尽きなくて困ってしまいますよね。
でも、お子さんは悩みながら、苦しむ我が子を見て心痛めるお母さんを見て、色々なことを学んでいると思うんです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
また、お越しくださいね。
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